2012
全 8 件
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特選 ~ 一年 ~直近一年間でよく読まれている記事順
特選 ~ 三年 ~直近三年間でよく読まれている記事順
- 歯周病から全身の疾患をみすえる歯学研究科・教授・天野敦雄世界で最も蔓延している病気としてギネスブックにも認定されている歯周病。21世紀に入ってその研究が加速すると、脳血管疾患、心血管疾患、がん、骨粗鬆症、慢性関節リウマチなどの原因になっていることが分かってきた。天野敦雄教授は、歯周病菌の検査によって自分の体の状態を把握し、将来の歯周病の進行をみすえ、それが生活習慣病の発病につながらない処置を施すよう指導。その危険性と予防対策を広く呼びかけている。
- 先端的な取り組みからコンピュータ社会のこれからをみすえるサイバーメディアセンター長・教授・中野博隆/サイバーメディアセンター・准教授・清川清今や「当たり前」の存在となったコンピュータ。 大阪大学サーバーメディアセンターでは、スーパーコンピュータ(スパコン)の管理・運営から、バーチャルリアリティ(VR)研究などに力をいれる。 センター長の中野博隆教授と清川清准教授に、スパコンの可能性と、VR研究の最先端研究について話を聞いた。
- 遺伝子という絵の具で 網膜の発生経路を明らかに蛋白質研究所・教授・古川貴久古川貴久教授は、一貫して網膜の発生と機能の研究を続けてきた。 視細胞がいかにして生まれ、分化し、成熟して機能を発揮するのかというメカニズムの主要部分を分子レベルで解明し、今年度の第30回大阪科学賞を受賞した。 緻密な研究に没頭するとともに、「研究者にはロマンを持ってほしい」と若手に熱く語りかける。 また医師としての自覚も持ちながら、病気との関わりを常に模索して原因遺伝子の発見に努めるとともに、全国各地の市民講演で患者たちに「研究、医療は日進月歩しています。希望を失わないでください」と訴える。
- iPS細胞から分化誘導した肝細胞を世界で初めて実用化薬学研究科・教授・水口裕之今、世界から注目されているiPS細胞は、再生医療だけでなく、「創薬分野」での応用にも期待が高まっている。分子生物学を専門とする水口裕之教授は、創薬プロセスにおける毒性試験で使用される肝臓細胞(以下肝細胞)を、ヒトiPS細胞から分化誘導し、実用化に成功。その業績により第10回産学官連携功労者表彰・厚生労働大臣賞と、第4回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2012」奨励賞を受賞した。
- すぐにもらえる小さい報酬か 将来にもらえる大きい報酬か社会経済研究所・准教授・田中沙織「すぐに食べられるハンバーガーか、行列のできる店で長時間待ってごちそうを食べるか、あなたはどちらを選びますか」 そんな人間の欲を、経済学・脳科学・心理学などを合体させた「神経経済学」の視点から解析・研究している。実際の人間の経済行動をよりよく説明できるような新しい経済モデルを作ろうとする新しい分野である。
- 光の量子的性質を利用して 解読されない暗号を創る基礎工学研究科・教授・井元信之井元信之教授が取り組んでいるテーマは「量子情報処理」。この分野では、既存のコンピュータをはるかにしのぐ情報処理能力を持った量子コンピュータの実用化がとりざたされているが、より早い実現が期待されているのが「プライバシー面で絶対に安全な『量子暗号通信』」だ。井元教授らのグループは、それを実用可能にする長距離通信をめざし、量子情報を量子メモリーと通信回線の間で自由にリンクさせるための波長変換技術と量子雑音除去技術を完成させ、世界から注目されている。
- ひとの脳波を読み解き ロボットアームが動き出す医学系研究科・特任准教授・平田雅之/医学系研究科・助教・栁澤琢史長期の運動まひがある人の脳の表面に置いたシート状の電極で計測した脳波を解読し、腕状のロボットなどをリアルタイムで動かすことに、平田雅之特任准教授(脳神経外科)、栁澤琢史助教(脳神経外科)などのグループが成功。体内埋込装置や脳磁図(MEG)で動かせる装置での研究も着実に進んでいる。将来的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者などの日常生活支援に役立つことが期待される。
- 遺伝情報を速く、確実に読み解く ナノテクノロジーの最新技術産業科学研究所・特任教授・川合知二21世紀初頭、人類はついにヒトDNAの全遺伝情報の解読に成功した。以来、日米欧を中心とする研究機関、医療系・情報系企業は、より速く確実に、適切な費用での解読技術の実現に向けて激しい競争を展開している。そんな中、産業科学研究所の川合知二特任教授の研究グループは、「もっとも実現可能性の高い」と評されるゲーティングナノポア・シーケンシング技術を使ったDNA、RNAの遺伝情報解析技術の実現に世界で初めて成功した。