幼児のオンラインテストで 「自身の姿を見せる」ことでカンニングを抑制

幼児のオンラインテストで 「自身の姿を見せる」ことでカンニングを抑制

幼児のオンライン授業などでの応用に期待

2026-9-18●社会科学系
人間科学研究科教授鹿子木 康弘

研究成果のポイント

  • 幼児のオンラインテストにおいてカンニング行動がみられることを実証し、さらに、そのカンニング行動が、幼児自身の映像を画面端に見せることで抑制されることを発見
  • 幼児のオンライン授業などでの不正行為防止策としての応用に期待

概要

大阪大学大学院人間科学研究科の大西実乃里さん(研究当時:博士前期課程)、鹿子木康弘教授らの研究グループは、幼児のオンラインテストでのカンニング行動が、自身の映像を画面端に見せることで抑制されることを世界で初めて明らかにしました。

これまで大学生などでは、オンラインテストでカンニングが増えることが報告されていましたが、幼児でそのようなカンニングが起こるのか、また、どのようにすれば防げるのかについては解明されていませんでした。

まず、研究グループは、5歳の幼児を対象に対面とオンラインでテストを行い、オンラインのテストでのカンニング行動が増えることを確認しました。次に、オンラインテストで幼児自身の映像を画面端に見せる条件と、その幼児自身の映像をアバターに変え、動きも2秒遅延する映像を見せる条件でテストを行いました。

その結果、アバター条件ではカンニング行動が減少しないのに対して、自己映像を流すことでカンニング行動が抑制されることが分かりました。今後、幼児のオンライン授業などでの、不正行為防止策としての応用が期待されます。

本研究成果は、米国認知科学誌「Open Mind」に、9月17日(木)(日本時間)に公開されました。

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オンラインテストの様子

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研究の概念図

研究の背景

コロナ禍以降、さまざまな場面でオンラインが活用されてきましたが、その一つの弊害として、大学生などで、オンラインテストでのカンニングが特に問題となっています。オンラインでは対面とは異なり相手からの見え方が変わるため、不正が起こりやすくなると考えられていますが、大学生以外の子どもでそのようなことが起こるのかどうかは知られていませんでした。5歳頃の子どもは、すでに「自分には見えていても相手には見えていない部分がある」ことを理解し始める時期です。また、コロナ禍以降、子どもたちの間でもオンラインでのコミュニケーションが急速に広がっています。

本研究では、オンラインテストでのカンニングがより年齢の若い幼児(5歳児)でも起こるのかどうか、また、もし起こるのであればどのような要因によってカンニングが抑制されるのかを検証しました。

研究の内容

研究グループでは、5歳の幼児を対象に、まず対面(対面条件)とオンラインでテスト(オンラインテスト条件)を行いました。オンラインテスト条件では対面条件よりも監督者の視界が制限されることを子どもは理解して、テストでのカンニング行動が増えることを確かめました。

次に、オンラインテストの環境で、画面の端に幼児自身の映像を提示する条件(自己映像条件)と、その幼児自身の映像をアバターに変え、動きも2秒遅延する映像を提示しました(アバター条件:自身の映像の見た目も動きも異なるものにした条件)。

その結果、オンラインテスト条件に比べて、自己映像条件でカンニング行動が減少し、アバター条件では減少しませんでした。

これらの結果から、大学生と同様に、オンラインのテストで5歳児のカンニング行動がみられることと、そのカンニング行動が、自身の映像を画面端に見せることで抑制されることがわかりました。

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)

コロナ禍以降、さまざまな場面でオンラインが活用されてきましたが、本研究成果により、子どもを対象としたオンラインテスト場面で、不正行為の防止策として、子ども自身の映像を提示することが推奨されることが期待されます。

特記事項

本研究成果は、2026年9月17日(木)(日本時間)に米国認知科学誌「Open Mind」(オンライン)に掲載されました。

タイトル:“Online academic cheating in young children and its prevention”
著者名: Onishi, M., & Kanakogi, Y.
DOI:https://doi.org/10.1162/OPMI.a.381

なお、本研究は、JPSP科研費(グラント番号:24H00718) の支援を受けた。

参考URL

鹿子木 康弘 教授 研究者総覧 - 大阪大学