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【お口のマメ知識】顎義歯(がくぎし)〜口腔がん術後の機能障害に役立つ義歯〜

咀嚼補綴科・顎顔面補綴担当・山本 雅章

【お口のマメ知識】顎義歯(がくぎし)〜口腔がん術後の機能障害に役立つ義歯〜

【お口のマメ知識】顎義歯(がくぎし)〜口腔がん術後の機能障害に役立つ義歯〜

歯学部附属病院
咀嚼補綴科 山本 雅章 顎顔面補綴担当

口にできるがん、口腔がんは外科手術や、放射線治療、化学療法によって治療します。これらによってがんが治ったとしても次に大きな問題が出てきます。それは機能障害です。がんを治すということは、その周りの組織ごとなくなることが多くそれによって大きな穴(顎欠損)が生じます。穴が開くと、食べたり飲んだりすると穴から漏れて食事ができない(咀嚼障害)、鼻声になって人に会話が通じない(構音障害)など生活に大きく支障が出ることになります。また手術により顔の形が大きく変わり見た目が変化する(審美障害)も生じます。これらは,がんの治療が治ったとはいっても、治療後に続く生活の中でとても大きな問題です。
これらを解決する1つとして,顎義歯というものがあります。形態は部位、大きさによって様々ですが、普通の義歯に栓塞子という穴を塞ぐものが追加されたものが一般的です。これによって、先に述べた問題が解決され、普通の生活に戻ることが可能となります。
こういった治療は顎顔面補綴治療と呼ばれ、専門性が強く一般の歯科医院では対応できない場合がほとんどです。当院で手術された方に限らず、他の病院で手術された方でもお困りの方がいれば、当科までご相談ください。

(2015年4月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.03」より)

(2015年4月取材)