2016年11月4日

リリース概要

新潟大学歯学部教授 小野高裕、大阪大学大学院歯学研究科教授 前田芳信・医員 菊井美希、国立循環器病研究センター予防健診部 部長 宮本恵宏・医長 小久保喜弘らの研究グループは、無作為抽出した都市部一般住民を対象に規格化された方法で測定した「咀嚼能率」の低下とメタボリックシンドロームとの間に関係があることを世界で初めて明らかにしました。

 

研究の背景

動脈硬化性疾患(脳卒中、虚血性心疾患)は我が国の死亡原因の第二位を占めている。その予防策として、わが国では肥満、血圧高値、高血糖、血清脂質異常などのリスク因子を包括したメタボリックシンドロームという疾患概念を基準にした特定健診制度が行なわれているが、効果は十分とは言えない。そこで、口腔健康とメタボとの関連を明らかにして、動脈硬化性    疾患予防のための医科歯科連携を確立することは有益であると考えられる。

研究の概要

住民台帳から無作為抽出された50~70歳代の住民1780名を対象に基本健診と歯科検診を  行った。咀嚼能率の測定は、専用に開発されたグミゼリーを30回噛んで増えた表面積を算出する方法を用い、年齢、性別、飲酒、喫煙、歯周病などを調整した多変量解析を行って咀嚼能率とメタボ罹患率との関連性を分析した。

研究の成果

対象者を咀嚼能率によって4群に分けると、対象者全体では、最も咀嚼能率の高い群と比較して下から2番目の群でメタボリックシンドローム有病率が1.46倍高かった。また、70歳代の対象者に限ると、咀嚼能率が低下したすべての群で1.67~1.90倍メタボリックシンドローム  有病率が高かった。

 

今後の展開

本研究の結果より、咀嚼能率を測ることでメタボリックシンドームのリスクが評価できる  可能性が示され、動脈硬化性疾患予防における新しい医科歯科連携の戦略に繋がることが期待される。

研究成果の公表

これらの研究成果は、平成28年10月25日のJournal of Dentistry誌(IMPACT FACTOR 3.109)に掲載されました。


参考URL

大阪大学大学院 歯学研究科 顎口腔機能再建学講座 有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野

http://web.dent.osaka-u.ac.jp/~prost2/contents/contents_01.html

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