2015年7月6日

本実証実験のポイント

・阪大工学研究科に設置のフェーズドアレイ気象レーダを用いて、豪雨検知システムの実証実験を開始
・大阪府内で運用、防災対策におけるシステムの有効性の検証を実施
・突発的な豪雨に伴う冠水などの被害を事前に防止する対策を講じることが可能になることに期待

リリース概要

大阪大学大学院工学研究科の牛尾知雄准教授らの研究グループ、大阪府、株式会社東芝は、大阪大学工学研究科に設置しているフェーズドアレイ気象レーダ※1 を活用し、豪雨発生の予兆を検知するシステムの実証実験を情報通信研究機構等の協力により、7月6日から開始しました。これは、内閣府「総合科学技術・イノベーション会議」が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「レジリエントな防災・減災機能の強化」プロジェクトの中の「豪雨・竜巻予測技術の研究開発」の一環として実施するもので、実証期間は2年間を予定しています。

本システムの構築により、突発的な豪雨に伴う冠水などの被害を事前に防止する対策を講じることが可能になると期待されます。

図1 豪雨検知システムのイメージ図

図2 阪大吹田キャンパス(工学研究科)に設置しているフェーズドアレイ気象レーダ

実験の詳細

今回の実証実験では、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の発生過程の詳細な3次元構造を、30秒以内で観測できるフェーズドアレイ気象レーダと、降雨量を正確に観測できるMPレーダ※2 のデータを併せて解析し、ゲリラ豪雨の発生を事前に情報提供します。この結果は、大阪府の水防本部や出先事務所等に設置されたシステムにメールで配信するとともに、パトランプを点灯させて通知します。本システムを大阪府内10箇所で運用し、防災対策におけるシステムの有効性の検証を行います。

大阪大学は、フェーズドアレイ気象レーダの観測データを提供するとともに、気象データ解析結果の評価を行い防災の観点からシステムの有効性の検証を行います。大阪府は、本実証実験において、水防本部や出先事務所等で本システムを実際に利用し、気象観測の有効な情報の一つとして活用します。東芝は、本システムの構築と各レーダのデータ解析を行います。なお、8月下旬を目途に本実証実験についての見学会を別途行う予定です。

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)

今回の実証試験の結果を踏まえ、将来的にはフェーズドアレイ気象レーダとMPレーダの機能を併せ持つ次世代の気象レーダを開発し、2018年を目途にゲリラ豪雨や竜巻などの突発的な気象現象を高速かつ高精度に予測し、自治体等に情報を配信するシステムの構築を目指します。これにより、水防活動における事前防災対策を講じることが可能になります。

用語解説

※1 フェーズドアレイ気象レーダ
多数のアンテナ素子を配列し、それぞれの素子における送信及び受信電波の位相を制御することで、電子的にビーム方向を変えることができるレーダ。パラボラアンテナを機械的に回転させるレーダと異なり、瞬間的にビーム方向を自由に変化させることができる。フェーズドアレイ気象レーダの成果の一部は、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「次世代ドップラーレーダー技術の研究開発」にて大阪大学と東芝との共同研究で得られたもの。

※2 MPレーダ
アンテナの小型化ができるXバンドを用いたマルチパラメータ(MP)レーダのこと。ここ数年、大学・研究所・国土交通省などにより、各地に導入が進められている。

参考URL

研究室HP
http://www1a.comm.eng.osaka-u.ac.jp/index.html.ja

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