2019
全 21 件
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- 空気とメタンから低負荷で液体燃料を製造する夢の反応高等共創研究院・先導的学際研究機構・教授・大久保 敬天然ガスの主要成分メタンは私たちに身近な物質だ。日本近海 の大陸棚にメタンハイドレートとして大量に埋蔵されていること が近年明らかになり、有望なエネルギー源として政府が掘削技術 の開発を急いでいる。しかし気体のままでは保管や輸送に高いコ ストがかかる。これを簡単に液体燃料のメタノールに変えること ができれば、有用性は格段に高まる。大阪大学高等共創研究院・ 先導的学際研究機構の大久保敬教授(光化学)はある試薬に光を当 てることでメタンガスと空気中の酸素を反応させ、常温・常圧の 環境下でメタノールを合成することに世界で初めて成功した。資 源小国・日本の福音になる可能性を秘めている。
- 人権宣言の国 フランスに魅せられて法学研究科・教授・島岡まな大阪大学の研究者が身の回りのできごとを自身の研究と絡めて綴るコラム。今回は、日仏の経済刑法や、ジェンダーと刑事法について研究している島岡教授が登場!
- 音色が変わるとき、水素社会に一歩近づく基礎工学研究科・准教授・ 中村暢伴二酸化炭素(CO2)を排出しない「究極のエコエネルギー」として期待される水素。発電や交通、工業など幅広い分野での利用に注目が集まる。ただ、水素は空気に一定以上、混ざると静電気程度のエネルギーで着火し爆発する可能性がある。そのため、微量の漏洩でも検出できる仕組みが必要だ。中村暢伴准教授は、従来の12倍もの感度で水素を検出できるパラジウムナノ粒子の作成に成功。その秘訣は、「音」を使ったユニークな手法にあった。
- 可視化の「道具」を化学でデザイン工学研究科・教授・菊地 和也化学と生物学が融合した研究領域「ケミカルバイオロジー」。世界的に注目され、日本においても急速に進展している。菊地和也教授は、「生きた状態で細胞や分子の機能を可視化する化学プローブ(ある物質を検出するための物質)研究」に取り組み、病気の原因解明や、新しい治療法の研究に役立つ化学物質のデザイン・合成に成果をあげている。
- 細胞老化の謎を追い求めて微生物病研究所・教授・原 英二大学4年になった時、原教授は図書館で読んだ細胞老化の論文に感動した。それは細胞の老化が遺伝子レベルで制御されていると世界ではじめて示した、1986年の『サイエンス』の論文だった。大学院博士課程では細胞老化誘導遺伝子が何なのかを研究テーマに据えた。その後ロンドンで研究中にがん抑制遺伝子として知られていたp16が細胞老化を誘導する重要な遺伝子の一つであることを発見。p16遺伝子が細胞老化を誘導することで、異常な細胞の増殖を抑え、発がんを抑制するというメカニズムを明らかにした。
- “90歳、100歳の世界”がみえるように人間科学研究科・教授・権藤 恭之「長生きは幸せか」。権藤恭之教授は「高齢者の幸福感」を研究テーマとして約20年間、取り組んできた。年を取れば、体力が衰え、病気にもかかる。では、「心の健康」はどうか。大阪大学などが実施する「健康長寿研究」や100歳以上の高齢者(百寿者)との面会調査から得た、一つの結論は「多くの高齢者が幸福感を持ち続けています」。その要因に「老年的超越」と呼ばれる心理学理論をあげる。
- 「海の国」の造船・海運を強度解析で支える工学研究科・助教・辰巳 晃海に囲まれた日本。国別の保有船量はギリシャに次いで世界2位、日本の貿易に占める海上貨物の割合(重量ベース)は99%を超える。コンテナ船はより大型に、そして高速化してきた。一方で、ひとたび事故が起こると甚大な経済的損失、環境汚染につながる。辰巳晃助教が取り組むのは、船舶の安全性を保証する「強度解析」の研究だ。