2018年3月13日

【お口のマメ知識】関節リウマチ治療薬と歯肉の潰瘍

歯学部附属病院
口腔外科2(修復系) 由良 義明 科長

新しい薬は治すべき病気の治療を飛躍的に向上させる一方で、口で新たな病気を引き起こすこともあります。例えば、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や癌の骨転移を治療する薬として開発されたビスフォスフォネート(BP)や抗体薬を長期間にわたって使用すると、抜歯後の治癒が悪く、骨が死んだ状態となる薬剤関連性顎骨(がっこつ)壊死(えし)(MRONJ)を起こすことも知られています。最近では関節リウマチの治療でよく用いられる薬のメトトレキサート(MTX)が、リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)の原因となることが分かり新たな問題となっています。これは、関節リウマチの薬がからだの免疫機能を抑えるためリンパ球が異常に増殖することによるものです。歯肉に生じた場合、歯肉は変色し、粘膜の深い欠損を生じます(写真)。痛みも伴います。また、外見上は歯肉の癌が広がったようにも見えますので、注意が必要です。この病気の特徴は薬剤服用を中止すると症状が改善することで、これが診断の決め手となります。だだ、中止しても良くならないものはリンパ性の腫瘍として抗癌剤による治療を必要とします。複数の薬を常用することが当たり前となった昨今では、自身が常用する薬の作用について十分知ることが、口の病気の正しい診断と治療に結びつくことになります。

詳しいことは、担当の歯科医師にご相談ください。

(2015年7月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.04」より)
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右下の臼歯部に白色と赤色が混ざった歯肉の病変(矢印)がみられます。

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