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【お口のマメ知識】3大むし歯好発部位について

保存科・副科長・伊藤 祥作

【お口のマメ知識】3大むし歯好発部位について

【お口のマメ知識】3大むし歯好発部位について

歯学部附属病院
保存科 伊藤 祥作 副科長

世の中には、3大庭園や3大祭りなどがあるように、お口の中にも3大むし歯好発部位(むし歯になりやすいところ)があります。では、3大むし歯好発部位どこにあるのでしょう?

1つ目は、奥歯にあります。奥歯は、食べ物をすりつぶす役割を担っているので咬む面が他の歯に比べ広い面積を持っています。そして咬む面には、食べ物をすりつぶすために、山があり、谷があります。この谷の深いところは、歯ブラシの毛先が届きにくいため不潔になりやすく、むし歯の好発部位となっております (図①) 。

あとの2つの部位は、全ての歯に当てはまります。歯と歯の隣り合ったところは、三角錐のような窪んだ形をしています。そのため、歯ブラシが届きにくく、みがき残しが生じやすくなり、ここもむし歯の好発部位となっています (図②) 。

最後の部位は、歯と歯ぐきとの境目です。歯と歯ぐきとの境目には、約1~3mm程度の深さの溝が歯の全周にあります (図③) 。歯磨きが十分ではないと、みがき残しが生じ、やがてむし歯となります。この部位は、むし歯の好発部位のみならず歯周病の発症に関連する歯石が生じる部位でもあります。

以上まとめて、3大むし歯好発部位は、1)咬む面の深い谷、2)歯と歯の隣り合ったところ、3)歯と歯ぐきとの境目です。これら好発部位を意識して歯みがきをすれば、むし歯を予防できること間違いありません。

(2017年7月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.12」より)

(2017年7月取材)