Research Subtitle:
脳発達障害や精神疾患の起源に迫る

Title Image SP:
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Announcement Date
2025-08-27

Research Highlight
life_sciences_medicine

Term Index
{'items': [{'key': '1vu4o', 'term': 'DNA修復', 'description': {'blocks': [{'key': '82jtf', 'text': 'DNA修復とは、紫外線、化学物質、酸化ストレス、あるいは細胞内の代謝反応などによって損傷を受けたDNAを、細胞が自ら修復する仕組みです。DNAは生命活動に欠かせない“設計図”であるため、その正確性を維持するため細胞内には複数の修復経路が備わっています。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': 'br1fs', 'term': 'DNAポリメラーゼβ (Polβ)', 'description': {'blocks': [{'key': '6115s', 'text': 'Polβは、DNAに生じた小さな損傷を修復する“塩基除去修復(BER)”という修復経路で働く酵素です。酸化や脱アミノ化などの化学的変化によってDNAの塩基が損傷すると、細胞はBERを使ってそれを取り除き、正しい塩基に置き換えます。このとき、Polβは新たな塩基を正確に埋め込む役割を担い、ゲノムの安定性を維持するために不可欠な存在です。特に注目すべきは、Polβを含むBERが「DNA脱メチル化」に伴って生じる一時的なDNA損傷の修復にも関与している点です。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': '56iep', 'term': '体細胞突然変異', 'description': {'blocks': [{'key': '91fjk', 'text': '体細胞突然変異とは、生まれた後の細胞分裂や外的ストレス、代謝反応などによって、体の細胞に後天的に生じるDNAの変化(突然変異)です。親から受け継いだ遺伝情報とは異なり、その個体の一部の細胞だけに存在する変異であり、細胞が分裂・分化していく過程で蓄積されることがあります。神経細胞のように一度分化すると分裂しない細胞では、発生初期に生じた体細胞突然変異がそのまま残り、神経機能や回路形成に影響を及ぼす可能性があります。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': 'p6ag', 'term': 'DNA脱メチル化', 'description': {'blocks': [{'key': '2d19l', 'text': 'DNAの塩基配列上に付加された「メチル基(–CH₃)」という化学修飾を取り除く反応です。メチル基は主に「CpG配列」と呼ばれる特定のDNA配列のシトシンに修飾され、遺伝子の働きを抑える役割を担います。脱メチル化が起こることで、その遺伝子が“オン”になり、細胞が新たな機能を獲得する準備が整います。特に脳の発生過程では、神経細胞が正しく分化するためにこの脱メチル化が活発に起こります。ただしこの過程では、DNAに一時的な切れ目(DNA損傷)が生じるので、適切な修復がされないと突然変異につながるリスクがあります。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': '2tl37', 'term': 'エンハンサー領域', 'description': {'blocks': [{'key': '7qk21', 'text': 'エンハンサーとは、遺伝子の“スイッチ”のような役割を持つゲノム領域です。たとえ遺伝子本体(コーディング領域)から離れた場所にあっても、その働きによって特定の遺伝子の発現をコントロールすることができます。脳を含む多くの組織では、時期や細胞種ごとにエンハンサーが活性化されることで、遺伝子の適切な発現が制御されています。今回の研究では、エンハンサー領域に集中して変異が生じていたことが確認されており、遺伝子の調節機構に対する新たな損傷のリスクが示唆されました。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': '8s3qc', 'term': 'インデル変異', 'description': {'blocks': [{'key': 'bb7mj', 'text': '「insertion(挿入)」と「deletion(欠失)」を合わせた言葉で、DNA配列の一部が抜け落ちたり、新たに入り込んだりする小さな変化を指します。インデル変異は、数塩基程度のごく微小な変化であっても、重要な遺伝子の構造や読み取り枠(フレーム)を乱すことで、細胞機能に大きな影響を与えることがあります。今回の研究では、神経発生中にこのインデル変異が特定のゲノム領域(遺伝子制御領域)に集中して蓄積される現象が観察されました。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': 'bhok4', 'term': 'エピゲノム', 'description': {'blocks': [{'key': '5bp19', 'text': 'エピゲノムとは、DNAそのものの配列を変えることなく、遺伝子の働きを調節する「化学的な目印」のことです。代表的なものにDNAメチル化やヒストン修飾があり、これらの変化によって、ある遺伝子が“オン”になるか“オフ”になるかが決まります。特に発生過程では、細胞が適切に分化するためにエピゲノムの変化がダイナミックに起こることが知られています。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': 'fkuld', 'term': 'ntES細胞', 'description': {'blocks': [{'key': '2u5pv', 'text': 'ntES細胞とは、分化を終えた細胞の“核”を用いてクローン胚を作製し、そこから得られた胚性幹細胞(ES細胞)です。この方法により、本来は分裂しない神経細胞のゲノム情報を高精度かつ大量にコピーすることが可能となります。今回の研究では、この技術を活用することで、1個の神経細胞から実験可能な量のゲノム情報が得られ、突然変異を詳細に解析することができました。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}, {'key': 'e9a58', 'term': '構造変異', 'description': {'blocks': [{'key': 'h510', 'text': '構造変異とは、DNA配列の中で比較的大きな領域が欠けたり、逆向きになったり、余分に挿入されたりするような変化のことです。数百塩基以上の規模で起こることが多く、遺伝子全体が失われたり、複数の遺伝子が異常につながるなど、細胞に大きな影響を与える可能性があります。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}}]}

Departments
['fbs']

Related Teachers
['菅生紀之', '八木 健']

Teacher Comment
脳の発生・発達は一見完璧に見えて、実は細胞内では多くの“隠れた火種”が同時に管理されていることがわかってきました。今回、Polβがその一つ、脱メチル化に伴うDNA損傷の“後始末役”として代役がいない重要の役割を担っていることを明らかにできたことは、神経科学だけでなく、発がんや老化の研究にも波及効果があると期待しています。

Teacher Image
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/image/photo_drwan_640.png

Teacher Name
菅生 紀之

Teacher Position
特任准教授(常勤)

Teacher Division1
生命機能研究科

Teacher Division2

Teacher URL
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/d6eac9851135372d.html