速やかな抗原応答のメカニズムをオミクスデータと数理モデルで説明
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Announcement Date
2020-06-03 00:00:00
Research Highlight
life_sciences_medicine
Term Index
{'0': {'description': {'blocks': [{'key': 'b63ss', 'text': '私たちのからだは細菌やウイルスの感染に対してそれを排除する免疫応答のシステムを有しています。免疫細胞の一種であるB細胞は、膜の表面にB細胞受容体(BCR)を有し、外界からの抗原がこの受容体に結合すると、細胞の増殖と分化を段階的に進め、抗原に対する抗体を産生する細胞として成熟するようになります。本研究では、B細胞の抗原応答と同様の細胞応答を実験室で誘導することのできる同族抗原のIgM抗体を使い、マウス由来B細胞のBCRを活性化させ、解析に用いました。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}, 'key': 'term1', 'term': 'B細胞'}, '1': {'description': {'blocks': [{'key': 'ca8t8', 'text': '(NF-kappa B)/正式には、「Nuclear factor kappa-light-chain-enhancer of activated B cells」という表記であり、炎症、感染などの免疫応答をつかさどる蛋白質として、ノーベル賞研究者デビッド・バルチモアらにより1986年に発見されました。NF-kBはもともと免疫細胞のB細胞中に発見されましたが、現在は、さまざまな細胞や組織に存在することが知られています。自然免疫や獲得免疫などの免疫応答の制御だけでなく、その過剰な活性化はがんを引き起こすことが知られています。NF-kB分子の物理化学的な性質として、蛋白質として立体構造を取りにくく、その分、DNAをはじめとしたさまざまな他の分子と相互作用しやすいといった特性があります。この特性は、核内の局所的な転写反応を増加されるのに有利だと考えられており、B細胞における抗原依存的な遺伝子発現の閾値特性の一端はNF-kB分子の性質そのものにも起因します。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 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'オミクス解析は、数千から数十万の生体内分子を一度に網羅的に測定し、解析する手法を指します。2003年に解読されたヒトゲノムの情報を基礎として、全遺伝子の発現プロファイリング(トランスクリプトーム)、遺伝子をコードするDNAなどの修飾(エピゲノム)、代謝物(メタボローム)、蛋白質(プロテオーム)などを測定する技術がこの10数年間で急速に進展しました。しかし、ただ、オミクスデータを数多く取得すれば、新しいことがわかるということではなく、大量のデータを解析するコンピュータ手法の開発も必須です。本研究では、細胞集団レベルでの網羅的遺伝子発現およびエピゲノムと単一細胞レベルでのエピゲノムおよび遺伝子発現といった単一細胞データのさまざまなコンピュータ解析を行うことにより、細胞ごとの抗原感受性の違いも含めて、免疫応答を詳しく調べることができました。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}, 'key': 'term4', 'term': 'オミクスデータ解析'}, '4': {'description': {'blocks': [{'key': '2318g', 'text': '生物学や医学でも見られる自然界の現象の多くは数理モデルを用いて説明することができます。特に、微分方程式を用いた数理モデルの原型は、酵素の特性や蛋白質相互作用を理解するために、古典的に生物学分野で広く用いられてきました。数理モデルは、適切な実験手段が無い場合などに、取得可能な計測データから、その背後にあるメカニズムを明らかにし、さまざまな予測を可能にすることができます。本研究では、実験的には計測不可能な細胞核内の転写因子間の相互作用を、オミクスデータをもとに数理モデルを用いて予測し、遺伝子発現のメカニズムを明らかにしました。数理モデルは拡張性があるため、数理モデルの手法は、さまざまな組織の細胞の性質や疾患の悪性化などの機序解明にも役立てられています。2020年6月現在、新型コロナウイルスによる感染者の予測にも数理モデルが用いられました。基本的な考え方は、分子、細胞、個体を対象とした場合でも同様で、この汎用性および拡張性が数理モデルの良さです。微分方程式モデルは、時間変化などの定量的なパターンから、そのメカニズムを同定したり、これから将来起こりうることの予測に能力を発揮します。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 'entityRanges': [], 'data': {}}], 'entityMap': {}}, 'key': 'term5', 'term': '数理モデル'}, '5': {'description': {'blocks': [{'key': 'anrhs', 'text': '(いきち)/ここでは、閾値は、遺伝子が発現する、発現しない、の2つの極端な状態を分けることを指します。自然界においては、原因となる要素(入力)がだんだんと増えるに従い、結果となる出力もまただんだんと増えるといった現象と、要素が増えていっても最初は不感応ですが、ある量を超えたときに急激に最大値の出力を示すといった現象があります。閾値を示す現象は後者にあたります。このような閾値様の活性を示す遺伝子や分子は、がんや免疫に関わるような細胞の回路にも頻繁に登場します。', 'type': 'unstyled', 'depth': 0, 'inlineStyleRanges': [], 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['protein']
Related Teachers
['道田大貴', '岡田眞里子']
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