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【お口の相談コーナー】子どもにも入れ歯はあるのでしょうか?

小児歯科・大川 玲奈

【お口の相談コーナー】子どもにも入れ歯はあるのでしょうか?

【お口の相談コーナー】子どもにも入れ歯はあるのでしょうか?

歯学部附属病院
小児歯科 大川 玲奈

子どもの歯は下あごの前歯から通常6歳前後で抜けはじめて、順次大人の歯に生え変わっていきます。その後、12歳頃まで子どもの歯から大人の歯への生え変わりが続きます。しかし、歯のけがによって、本来の生え変わりの時期よりも早い時期に子どもの歯が抜けてしまったり、歯を抜かなければならなくなったりする場合があります。

子どもの歯が早くに抜けてしまった場合、そのまま放置していると、見た目が悪いだけでなく、食事がしにくかったり、発音に影響が出ることがあります。また、歯が抜けた場所に舌を入れてから飲み込む癖がついてしまい、その後の歯並びにも影響することも考えられます。さらに、子どもの歯の最も大切な役割である「大人の歯が生えてくるためのスペースの確保」が難しくなり、大人の歯が生える際に問題になる可能性があります。

そのような子どもたちには、「子どもの入れ歯」を入れるようにお勧めしています。入れ歯を入れることができるようになる時期は、歯型が上手に取れるようになる3歳から4歳頃が目安となります。入れ歯を入れ始めてからは、大人の歯が生えてくるまで定期的なチェックが必要です。顎の骨の成長を妨げないような設計にしてはいますが、成長発育に応じて、調整や作り変えが必要となることがあります。

歯のけがによって子どもの歯が抜けてしまった場合の入れ歯は、平成26年度より健康保険が適応されるようになりました。詳しくは、小児歯科担当医にご相談ください。

(2016年4月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.07」より)

(2016年4月取材)