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【お口のマメ知識】歯垢(プラーク)の細菌遺伝子検査

予防歯科・科長・天野 敦雄

【お口のマメ知識】歯垢(プラーク)の細菌遺伝子検査

【お口のマメ知識】歯垢(プラーク)の細菌遺伝子検査

歯学部附属病院
予防歯科 天野 敦雄 科長

歯周病は、感染症です。病原性の高い歯周病菌は子供の口にはいませんが、18歳頃から口の中に住み着きます。他人の唾液を介しての感染が原因です(歯周病菌はうつるんです)。しかし、歯周病菌に感染してすぐに歯周病が起こるわけではありません。感染した若い頃から、歯周病が発症する中年期まで長い年月、歯周病菌は歯や歯ぐきの周りでじっと発症の時を待っています。

私は歯周病になるでしょうか?その不安にお答えするのが「歯垢(プラーク)の細菌遺伝子検査」です。プラークは800種類を超える細菌で構成されています。この中に歯周病菌がひそんでいると、30歳代後半以降に歯周病が発症する可能性は高くなります。また、歯周病菌は遺伝子型によって病原性が異なることも判っています。

予防歯科では、プラークの細菌遺伝子検査によって、プラーク中の歯周病菌の有無とその遺伝子型を調べます(健康保険未適応)。この検査の結果、歯周病発症の危険性が高いと判断された場合は、健康な歯ぐきをもつ若い頃から、一生涯を通じた定期的プロフェッショナルケアによって、歯周病の発症を予防します。歯周病の発症を予測して予防する。20歳代の若い方にこそ受けて頂きたい検査です。

(2015年1月「大阪大学歯学部附属病院広報誌 NewsLetter vol.02」より)

(2015年1月取材)